オリンピックに年齢制限があるのはなぜ?オーバーエイジ枠の重要性やルールを解説

4年に1度のスポーツの祭典であるオリンピックですが、なぜ男子サッカーだけ出場できるのは23歳だけという年齢制限があるのでしょうか。また、年齢制限がある一方でオリンピックにはオーバーエイジ枠と呼ばれるルールもあるのも特徴の1つです。

そこで今回は、オリンピックに年齢制限があるのはなぜなのか、オーバーエイジ枠の重要性やルールを解説します。

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オリンピックに年齢制限があるのはなぜ?

オリンピックの男子サッカーには、他の競技にはない23歳以下という年齢制限が設けられています。オリンピックに年齢制限があるため、どんなスーパースターであってもタイミングが合わないと出場することさえもできないのですが、なぜこのようなルールが設けられているのでしょうか。

オリンピックに年齢制限があるのは、IOCとFIFAの関係が大きく関係しているとされています。それでは、オリンピックに年齢制限がある理由を詳しくみていきましょう。

元々はアマチュア選手のみが出場

現代のオリンピックでは23歳以下であれば、どんなサッカー選手でも大会に出場することができます。しかし、1930年代ではアマチュア選手しか参加することができませんでした。

ただ、時間の経過と共にルールも改正されていき、1974年にはオリンピックにもプロ選手が出場することができるようになります。そして、1984年のロサンゼルスオリンピックからはプロ選手が出場していくようになりました。

IOCとFIFAの対立が原因?

オリンピックにプロ選手が参加するようになりますが、それに反発をしたのはワールドカップなどを開催しているFIFAでした。FIFAはワールドカップの価値が下がってしまうことを懸念し、IOCと対立してしまいます。その結果、1984年のロサンゼルスオリンピックでは、ワールドカップの予選と本大会に出場した選手は参加できないということになってしまいました。

しかし、IOCとFIFAが話し合いを行ない、1992年からプロアマ問わず、23歳以下の選手であれば出場できるというルールが導入されました。

オリンピックのオーバーエイジ枠の重要性とは?

1992年からオリンピックに年齢制限が設けられるようになりましたが、1996年のアトランタオリンピックからはオーバーエイジ枠というルールが追加されました。オーバーエイジ枠は年齢に関係なく、自国の選手を3人まで召集できるというものですが、このルールは大会を勝ち抜いていく上で重要になってきます。

それでは、オリンピックのオーバーエイジ枠の重要性について詳しくみていきましょう。

戦力アップ

オリンピックのオーバーエイジ枠を使う上で、最も重要となってくることは戦力をアップさせることができるということです。例えば、技術、経験が乏しい若手選手の中にリオネル・メッシ選手やクリスティアーノ・ロナウド選手のような経験豊富で実力のある選手を入れることで、大きな戦力アップをすることができます。

近年は若手選手の能力も高くなっていますが、世界トップクラスの選手と比べるとまだまだなので、オーバーエイジ枠を上手く活用することでチーム力の底上げをすることが可能です。

戦術の幅を広げる

オーバーエイジ枠を上手く活用することで、これまで行なってきた戦術だけではなく、新しいチームスタイルを増やすことができます。例えば、従来の戦術はポゼッションサッカーだったとしても、オーバーエイジ枠でスピードやパワー、高さのある選手を招集することでカウンターやパワープレーを行なうことも可能です。

このように、オーバーエイジ枠は戦術の幅を広げる重要性もあるので、既存の選手とは違ったタイプのプレイヤーを選ぶことも大切になってきます。

チームバランスを整える

オリンピックのオーバーエイジ枠は戦力を上げるだけではなく、チームバランスを整える役割も果たしています。ナショナルチームではリーダーシップを持ち、チームを引っ張っていってくれる存在がとても重要です。

しかし、オリンピックの若手選手で強烈なリーダーシップを持っている選手はそこまで多くありません。そのため、オーバーエイジ枠を使ってリーダーシップを持っている選手や士気を高めてくれるムードメーカーのような選手を選出することも重要になってきます。

相性を見極める

多くの国はオーバーエイジ枠を使って、戦力を上げようと実力のある選手を召集すると思います。しかし、オーバーエイジ枠で招集した選手とチームの相性が良くなければ、勝つことが難しいです。そのため、オーバーエイジ枠の選手とチームの戦術の相性やコンディションなども重要になってきます。

実際に、オーバーエイジ枠で招集した選手のコンディションや相性が悪く、戦犯になってしまったこともあるので、単純に能力の高さだけで選ぶのは危険なのかもしれないですね。

オリンピックのオーバーエイジ枠のルールは?拒否される?

オーバーエイジ枠は戦力をアップさせたり、戦術の幅を広げたりと様々な面でプラスに働いてくれますが、どのようなルールがあるのでしょうか。

オリンピックのオーバーエイジ枠で年齢制限なしで招集できる選手は3人までとなっています。ただ、オーバーエイジ枠は必ずしも使用しなければいけないというものではなく、23歳以下の選手だけで構成することも可能です。

このように、オーバーエイジ枠は3人まで年齢関係なく選手を招集できますが、拒否されることもあるというのは本当なのでしょうか。

オーバーエイジ枠は拒否されやすい

オリンピックのオーバーエイジ枠はワールドカップなどの招集とは違って、拒否されることが少なくありません。ただ、オーバーエイジ枠の招集を拒否するのは選手というよりも、所属クラブの意見が大きいです。

サッカーにおいては、オリンピックはワールドカップよりも下だと思われており、多くのクラブが消極的であることがあります。また、本来であれば、チームに合流してトレーニングを行なっている期間に選手を送り出すことは怪我のリスクやコンディション低下にも繋がってしまうので、拒否されることが多いようです。

まとめ

今回はオリンピックに年齢制限があるのはなぜなのか、オーバーエイジ枠の重要性やルールを解説しました。

オリンピックには年齢制限やオーバーエイジ枠という特殊なルールがありますが、将来のスーパースター候補を多く見ることができます。

2028年のロサンゼルスオリンピックにはどんな選手が出るのか、各国のオーバーエイジ枠などについても注目していきましょう。

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